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【本】本数珠つなぎ 5冊目『大脱走』

 

本数珠つなぎの5冊目は、

大脱走』ポール・ブリックヒル

 

モンテ・クリスト伯→『巌窟王』→牢屋→脱走→映画『大脱走』→大脱走という流れです。

 

mono93.hatenablog.com

 

図書館には文庫本の『大脱走』はなく、筑摩書房『ノンフィクション全集』に収録されていました。
ノンフィクションといわれると、なんだか退屈な文章かと身構えますが、『大脱走』は小説のように読めました。登場人物は実名で、映画の登場人物と結びつかない名前が出てきます。でも、ほぼ同じ展開であり、読んでいると映画のシーンが次々と浮かんできます。読んでいる間、ずっと大脱走のマーチが頭の中で鳴響ていました。

しかし、信じられません。人が一人腹ばいで通るのがやっとのトンネルを、地下10メートルに掘るなんて、どうも信じられません。地下三階ということですよ。怖くないんですかね。それも数百メートル掘るのです。
さすがに数百メートルのトンネルには崩落を防ぐために天井を板で作ります。その板を調達するために、ベッドの板を間抜きするわけですが、よくドイツ兵にバレないものだと感心します。けっこう間抜けなんですね。ちなみに捕虜たちは監視兵のことを「とんま」と呼んでいたそうです。

脱走のために、ビッグXと呼ばれるリーダーの元、捕虜たちはそれぞれの役目を果たします。トンネル掘り、大道具、小道具、物資調達、書面の偽造、服の改造、情報収集。それぞれの専門性を活かした役割を担います。特に脱走に向けた特技がない者も、見張り役など脱走に向けた準備に協力します。
大脱走の面白さは一大プロジェクトというところにあるのでしょう。メンバーの専門性がフルに力を発揮し、一つの目標に向かって一丸となる。そうしたチームワークを越えたプロジェクトであるところに物語としての面白さがあるのでしょう。
ビッグXが無理難題をメンバーに命じます。平服を200着以上準備しろ、旅券、切符を200枚準備しろ、地図を1000枚揃えろ。命じられたメンバーは絶句しながらも、

分かりました、なんとかしましょう

と応える。そして成果を上げる。カッコいいですよね。
私も職場でそんな台詞を言ってみたいものです。

ということで『大脱走』の次は何を読みましょうか。
実は、図書館で『大脱走』を借りる際に、間違って大脱走 英雄〈ビッグX〉の生涯』(サイモン・ピアソン著)という本を借りてしまいました。同じ大脱走ですが、リーダーのビッグXの生涯を描いたノンフィクションです。映画『大脱走』の原作ではありませんでした。
映画の原作にあたるポール・ブリックヒルの『大脱走』を読んだので、読まずに返そうとも思いましたが、せっかくですので読むことにしました。

ということで、次は大脱走 英雄〈ビッグX〉の生涯』です。