週末は晴れ

自転車でスケッチしながら北海道を一周するのが夢

【本】【自転車】『大東京ぐるぐる自転車』『自転車ぎこぎこ』伊藤 礼著 ~欲しい欲しい病発症

 いかんのである。非常にいかんのである。伊藤礼氏の自転車エッセイを読んで、欲しい欲しい病*1が発症したではないか。いかん、いかん、欲しい、欲しい。

図書館のスポーツ本コーナーで手に取った『大東京ぐるぐる自転車』。都内のポタリングコースの参考になればと読んでみました。

 『大東京ぐるぐる自転車』伊藤 礼著(ちくま文庫
 『自転車ぎこぎこ』伊藤 礼著(平凡社

 

 

 

筆者は65歳で自転車に目覚め、7台の自転車を有する自転車マニアになられています。筆者の自転車にはロードバイクはないようで、ママチャリ、MTB、クロスバイク、そして折りたたみ自転車。折りたたみ自転車は複数台持たれているようです。そのお手軽な(値段という意味ではありません)自転車に乗って都内を巡るエッセイです。

とりあえずの行き先、目的を決めて出発し、途中、気になるものがあれば止まって見物し、美味しそうなものがあれば食べという伊藤氏のポタリングポタリングの原点です。そうでした、ゆったり、気まぐれが、私の求めていた自転車でした。
ロードバイクを買って、荒川サイクリングロードを頻繁に走るようになりました。ちょっとでも速く走りたい、ちょっとでも遠くまで走りたい、抜かれて悔しいとムキになっていました。これは私が求めていた自転車ではありません。自転車でのんびりぐるぐる気ままに走って色んな所にいってみたい、そこで美味しものが見つかったりスケッチをしてみたい、それが私の求める自転車でした。
伊藤礼氏のエッセイが、忘れていた私の自転車の原点を思い出させてくれました。と同時に、欲しい欲しい病を発症させたのです。

 折りたたみ自転車が欲しい!

ロードバイクでも輪行できます。でも、東京メトロ東西線に自転車を抱えて乗る気にはなれません。東西線って日本一混む電車なんですよ。通勤時間だけでなく、休日だってかなり混みます。朝早く出るのはいいとして、帰りは混みますからね。休日でも大きな荷物を持っていることがはばかられるぐらいです。千葉方面なら逆なので混みませんが、東に向かうとなるとよほどの根性がないと輪行できないでしょう。

tokyo-calendar.jp

toyokeizai.net

それとロードバイクは早く走ります。つまりすぐには止まれない、ってことです。郊外へ輪行するならともかく、都心を散策するには向きません。ストップ&ゴーの連続ですからくたびれます。都心を散策するならこぎ出しが楽で小回りのきく小径車が向いています。
などと考えると、

 折りたたみ自転車が欲しい!

ってことになります。
お手軽な輪行ポタリングを楽しむなら折りたたみ自転車がしかないでしょう!

でも、昨年春にロードバイクを買ったばかりなんですよ。しかも折りたたみ自転車は高い。走れればいいならさほどではありませんが、色々自転車のことを知ってしまった以上、とりあえず安いのでええわ、とはいかなくなったのです。
輪行ですからちょっとでも軽い方がいい。走りを考えるても軽い方がいい。ブルホーンバーでブレーキをバーの先につけるならキャリパーブレーキの方がいい。タイヤは遅めの方がいい。八代亜紀みたいになってきましたが、あっちの方がいい、こっちの方がいいと、ネットサーフィンしていると値段がどんどん上がっていくのです。もともと折りたたみ自転車は機構が複雑で部品点数が多いわけですから、結構割高なのです。あっという間に昨春に買ったロードバイクの値段を越えます。

www.dahon.jp

仮に買ったとしても、乗るのは月に一回か多くて二回でしょう。さすがに毎週毎週輪行はできないでしょう。
今は夜の短距離を含めると週に三、四日は自転車に乗っています。月十日以上ですね。なんだかんだいって、ひたすら走る自転車も楽しいものです。そこから輪行にとなれば、毎週行くことはないでしょう。天候、家族サービス、行けなくなる理由はいくつもあります。
となると、月一回のためにそんな高い自転車が必要なのか? となり、ほどよい価格帯のものにしようかなんて、買う前提で品定めをしています。品定めをすればするほど欲しい欲しい病は重くなっていきますし、諦める気持ちも大きくなり、そのギャップがため息となります。

www.bscycle.co.jp

読み進めば進むほどため息が出てくる伊藤氏の自転車エッセイですが、氏のエッセイが面白いのは竜頭蛇尾なところです。ポタリングやサイクリングに出かけるきっかけから始まって、スタートはするのですが、文字数が残り少なくなったとの理由で肝心の目的地へ着いた話までたどり着かないことが多いのです。これがまたポタリング的で面白い。目的地でのことを書くために、始まりを省略するとただの行程表ですからね。つまらないです。目的地に何があるのか知りたければ、実際に行けばいい話です。なぜその場所を目的地としたか、そのルートを選択した理由は、といった話の方が参考になります。
私の今の自転車の場合、目的地は荒川沿いのどこか、江戸川沿いのどこか、お台場、豊洲ららぽーとぐらいしか選択肢としてありません。といいますか、ロードバイクだと都心のごちゃごちゃしたところを走るのが面倒なんですよね。伊藤氏のように目的地を増やすには折りたたみ自転車があれば……、とまたため息が出てきます。

伊藤氏の自転車エッセイは参考になりますが、ときどきこれでええんか、こんなこと書いてええんか、という箇所が出てきます。
トラックが落としていったペットボトルを拾って帰ったり、みかん畑のみかんを勝手に食べてみたり。食料を持たずに山の中に入って道に迷うとこなど危なかしくてありません。長い下り坂でブレーキがキーキーなるので適当に調整しましただなんて、口うるさいローディーからは非難轟々となるでしょう。まあ、伊藤氏が自転車で何度も転倒し、骨折したのもうなずける話ではありますが。

ともかく、ただ速く走ることを指南するロード本より、自転車の本質を捉え、求めていた自転車を思い出させてくれた、楽しい自転車エッセイ本でありました。

  

 

 

 

*1:欲しい欲しい病とは、世間でいうところの「物欲」です。働いて自分のお金を自分の意志で使えるようになった頃から、ときおり発症する病気です。