【自転車】調子にのって銚子
■ リベンジ
初の自転車小旅行は、JR香取駅を起点として利根川に沿って大利根自転車道から印旛沼自転車道に入り、東葉高速線で輪行、という予定でした。しかし、風に負けて大利根自転車道を途中で降りてJR滑川駅から輪行しました。風向を読み誤ったというかそれほど意識していなかったのです。
今日は風に負けた前回と同じ南西の強風です。
今回は風を味方にするため、逆のコースをたどることにしました。東葉高速線村上駅から印旛沼自転車道に入り、利根川に出たところで大利根自転車道を走る。これなら概ね追い風。
リベンジです。
■ また走りたくなる印旛沼 ～印旛沼自転車道
風を読んで風を味方につけた完璧なプラン。完璧すぎて、快適すぎて、あっという間に印旛沼自転車道を走り抜けてしまいました。
出発地点の東葉高速線村上駅から先ず新川サイクリングロードを北上します。川沿いの気持ちのいい道でした。一気に自然の中。とにかく空が広い。どこかでメジロがさえずっています。南風に押されてぐいぐい進み、印旛沼自転車道へとつながります。
印旛沼自転車道は左手に印旛沼、右手には水田が広がる平坦な道。並木道になっていて涼しく快適に進みます。
道は印旛沼に沿ってゆるやかに蛇行します。変化に富んで飽きません。ときどき向かい風になったりしますが、北上していることに違いはありませんので快適です。
こりゃまた来なあかんな、と考えているとオランダ風車が現われました。唐突感は否めません。
風景に似合うといえば似合いますが、一基しかないのがちょっと寂しい。なんて文句をいったらバチが当たります。なんでもオランダから輸入してきた本場もんだとか。
本来ならここでスケッチといきたいところです。フロントバッグにはスケッチ道具も入っています。でも断念。風が強すぎです。止まっていると結構つらいのです。スケッチ道具を広げれば、すぐに風に飛ばされそうです。
写真撮影だけ済ませて更に進みます。
印旛捷水路に入ると田園風景が一気に渓谷の雰囲気になります。その渓谷の先には青い空と湖（沼ですけど）。いや本当に楽しい。ふだん、風景がワンパターンの荒川サイクリングロードを走っているだけに、この景観の変化が楽しくて楽しくて。
この印旛沼自転車道は、女子マラソンの有森裕子や高橋尚子が練習した道でもあるそうです。「金メダルジョギングロード」なんて標識もありました。金メダリストを育てた道、と思うとペダルにも力が入ろうものです。ぐいぐい進み、あっという間に利根川に出ました。
後半、一部未舗装の道がありましたが、本当に走りやすい。風光明媚でいい自転車道でした。
ひとつ注意しないといけないのは、コンビニや自販機など補給ポイントがほとんどないところです。特に夏の水分補給には気をつけたいところです。
■ 調子こいて銚子まで ～大利根自転車道
利根川に出ました。銚子まで６８ｋｍだそうです。
まだ昼前。前回の香取まで走ったとしても昼過ぎにはサイクリング終了です。
このままで終わらせてええんか？
平均速度１５ｋｍ／ｈとしても銚子に４時頃着きます。２０ｋｍ／ｈで走れば３時過ぎでしょうか。
いけるんちゃうん？
風と相談します。
なんて格好つけてもやったことはスマホで天気予報のチェック。南西の風です。自転車道は東進しますから、やや追い風です。半分過ぎたあたりから道は南東に向かいます。風は横風に変わります。でも、４時ごろには銚子の風は和らぐ予報。
地図を見ます。利根川に沿うようにＪＲ成田線が走っています。いざとなればリタイアできる。
こりゃ走るしかありませんよね。
ということで、やや追い風に乗って香取まで一気に走りました。前回の逆。つらかった利根川が楽しい利根川となりました。
しかし利根川は広いですね。荒川の倍はありそうです。自転車道は土手の上を走りますので見晴らしもいい。広大な田園風景と相まって開放感いっぱいです。土手を見上げる用水路を走るような荒川CRとは違いますね。
マクドナルドや牛丼屋などの看板が連なる道が見えたところで、自転車道をおりて昼食。お尻を休ませます。
再び自転車道に戻り走り始めたらなぜか向かい風。
南西の風の中を南東に走りますから、風は右から吹いてくるはずです。でも、風は左前から。利根川を見ますと、川面の波が逆流しているように見えます。風は東から吹いています。川を上るように。
話がちゃうやん。
風は相談に乗ってくれないので、天気予報サイトを見ます。現在の天気を調べると香取地方も銚子地方も南西の風です。しかし、どう考えても風は東の方から川を遡るのように吹いてきます。
海の風は違うのかな、などと考えながら漕いでいると、舗装された自転車道がいつの間にか砂利道に変わっていました。ジャリジャリ石を弾きながら走りますと農家の私道のような道に出ました。え？ と進むと農道です。先の方に車の往来の音が聞こえました。国道３５６号線です。残り十数キロで自転車道が途切れたので、国道を銚子まで走りました。
帰宅後に調べたところ、利根川対岸の鹿島地方の風向は東北東の風、５．１ｍ／ｈでした。後半の向かい風の正体は対岸からの風だったのです。
自分のいる場所の風向きだけ見ていてもダメなんですね。周りを見ないと。ＫＹはいけませんな。
国道を走り出してからは風向どころではなくなりました。狭い国道ですので緊張します。危うく猫を轢きそうになりましたし。
路地から飛び出してきたんですよ。猫の方が運動神経がいいですから、タイヤの直前で直角に曲がりました。見事です。左足に猫の胴体が当たるのを感じました。うわっと言っている間に猫は素早く駆け抜けていきました。
危ない。猫も危ないですが転倒していたらと思うとぞっとします。きっと車の音がしなかったので飛び出したのでしょうね。
これからは狭く見通しの悪い市街地はゆっくり走ります。
そうこうして走行しているうちに追い風に変わりました。川の土手を降りたので対岸の風の影響がなくなったのでしょうか。
とにかく川沿いに走り、銚子港につきました。４時でした。
そりゃ太平洋見たいですよね。
どこまでいけば太平洋を見られるのか。スマホの地図を調べます。銚子港辺りでは広い海原を見ることはできないようです。長い堤防が幾重にも重なり港を守っています。海岸らしき場所がありません。
防波堤の先を目指して少しさ迷いましたが無理そうです。やはり犬吠埼辺りまで走らないと見たい海は見られないようです。
防波堤で休んでいると風が強くなってきました。予報では弱くなるはずでした。轟々音を立てています。後で調べたら１１ｋｍ／ｈを超える風でした。
強風で落ち着きません。時間も時間ですし、コンクリートの防波堤を見ていてもつまらないので、早々に銚子駅まで引き返しました。
銚子駅につくと意外にも近代的な建物で観光客もいました。時刻表を見ると千葉行き発車まで１０分を切っています。
間に合うか？
次の千葉行きは一時間後。
のんびり待つか？
家に着いたら十時前だぞ。
自転車をたたみながら迷うことにしました。
間に合えば乗る、間に合わなかったらあきらめる。落ち着いてやれ、落ち着けば段取り間違えずに折りたためる。輪行袋に突っ込んで微調整は電車の中で。
改札を通ったのは三分前。階段を駆け上り（本人はそのつもり）、降りるときは慎重に。まだ発車ベルは鳴っていない。
最後尾の車両に駆け込み、自転車を置く場所を確保。
持っているペットボトルのお茶はあと一口。二時間弱の電車です。水分は確保しときたい。ホームの自販機で水を買って電車に駆け込みます。すると発車ベル。間に合いました。
いや、荷造りと折りたたみを十分以内で終わらせられたのは上出来ではないでしょうか。
輪行の荷造りをしていた場所から少し離れたところで、ロードバイクを輪行袋に入れているお兄さんがいました。間に合ったのでしょうか？
電車が走り出し、ほっと落ち着くとお腹が空いてきました。非常食に買っておいたおにぎりを食べます。お腹が落ち着くと睡魔。うとうとしていたら千葉につきました。
元々は印旛沼をのんびり走り、スケッチしてみたいと目論んでいました。それがばたばたと銚子まで走ることになりました。なにかに追われるように銚子を目指したのです。
先日の宇都宮もひたすら走りました。走るだけのサイクリングではありましたが、普段と違うロケーションを楽しめました。
でも、本当はもっとゆったり走りたい。今回は銚子を楽しむ余裕がありませんでした。プランの立て方がまずいなと反省です。
銚子にはまた来たいと思います。次回は銚子まで走ることが目的ではなく、銚子の海を楽しみたいと思います。銚子まで輪行して、犬吠埼を巡りたいと思います。
しかし、よく１１６ｋｍも走れたと我ながら感心しています。１００ｋｍを目指すより、目的地があって走る方が１００ｋｍ楽に走れました。
結果として１００ｋｍ。これですね。
■ まとめ
・走行日：２０１８年５月４日（金）
・出発時刻：８時００分（東葉高速線村上駅）
・到着時刻：１６時０５分
・帰宅時刻：２０時１５分
・天候
－佐倉（ 9:00）：１９．９度 南西７．２ｍ／ｓ
－香取（12:00）：２１．４度 西南西３．２ｍ／ｓ
－鹿島（14:00）：１７．５度 東北東５．１ｍ／ｓ
－銚子（15:00）：１９．２度 南南西１１．４ｍ／ｓ
・走行距離：１１６．４２ｋｍ
・走行時間：５ｈ３９ｍ２６ｓ
・所要時間：８ｈ７ｍ４８ｓ
・平均走行速度：２０．６ｋｍ／ｈ
・平均速度：１４．３ｋｍ／ｈ
・装備：フラットペダル
サドルバッグ（中）
フロントバッグ
・水分：ペットボトル３本
・交通費：東西線西葛西駅～東葉高速線村上駅：８６４円
ＪＲ銚子駅～東西線葛西駅：１８５８円
そうそう、やっぱり話しかけられましたよ。自転車を輪行袋につめているときではなく、駅のホームでしたけど。
輪行袋を足元において東西線を待っていたら、駅の警備員のおじさんが、
ロードレーサーですか？ 昔乗っていましてね。
と嬉しそうに声をかけてきました。
