週末は晴れ

自転車でスケッチしながら北海道を一周するのが夢

【本】『珈琲店タレーランの事件簿』岡崎琢磨著

 

無性にカプチーノを飲みたくなって、イオンにあるカフェにいきました。初めて入ります。

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珈琲は嫌いではありません。学生の頃、小さなサイフォンを買ってポコポコやってました。
社会に出て、営業職につき、営業に回る先々で珈琲を飲み、ストレスもあって胃を壊し、珈琲を控えるようになりました。
なので今はもっぱら紅茶です。たまに飲みますが、逆流性食道炎を患ってからは、ブラックで飲むことは避け、カプチーノを飲むようにしています。カフェラテではなんか薄いのです。カプチーノの濃厚さが好きなのです。
普段、珈琲は飲みません。妻は毎朝珈琲を入れてます。妻に飲むかと聞かれますが、飲みません。珈琲の香りがしても飲みたいとは思いません。たまに気持ち悪くなることもあるほどです。

 でも、急にカプチーノが飲みたくなりました。珈琲ではありません。カプチーノです。カプチーノを飲みたいのです。
きっかけは小説です。図書館の返却コーナーにあった推理小説です。

珈琲店タレーランの事件簿2 彼女はカフェオレの夢を見る』岡崎琢磨著(宝島社文庫

バリスタの女性が珈琲豆を挽きながら名推理を披露する軽いミステリーです。殺人はありません。日常に目にする(かもしれない)謎に挑む連作短編集です。
このシリーズの2巻目「第三章 乳白色のハートを壊す」カプチーノが出てくるのです。カプチーノの説明と、ラテアートの説明だけなのですが、無性にカプチーノを飲みたくなりました。

はっきり申し上げて、この手の登場人物と語り口は嫌いです。三十年前なら受け入れられたと思いますが、この歳になると辟易します。登場人物が月並みな上に語り口が暑苦しい。
男好きのする女がご都合よく惚れてきます。こういう女性像を女性読者はどう思っていのでしょうね。気持ち悪いと思うのではないでしょうか。
語り部の男とバリスタ女探偵の距離が近づいていくのですが、

やめとけやめとけ

と言いたくなります。こんな一から十まで観察し、言葉尻をとらえ、その裏を考えて、厳しく糾弾してくる女。そんな女と結婚すると息苦しくて死にそうになるぞ。

そんなことを考えながら読んでいるので面白いわけがありません。バリスタが解く謎も取ってつけたような浅い謎ですしね。
なんてことを考えながら一巻目を読み終えたあと、図書館に返却したその足で二巻目を借りました。

なぜでしょう?

一巻目最後の大きな謎もつまらないのですが、でもこうきたかというちょっとした驚きがありました。そこだけは「このミス大賞」と冠がつくのも納得です。まあ、「このミス大賞」の選出基準もよう分かりませんが。

と文句を言いながら二巻目を開き、一話目からつまらん謎やでとボヤきながら、カプチーノが飲みたくなりました。
全編珈琲が登場する小説です。何だかんだで二巻目も読み始め、カプチーノを無性に飲みたくなる小説です。著者の勝ちですね。
このシリーズは五巻まで出ているようです。三巻目にいくのでしょうか? 今後の二巻の展開次第でしょう。

さて、カプチーノに飢えて入った珈琲専門店ですが、なんちゃってカプチーノでした。シナモンスティックがついてそれっぽいですが、なんちゃってです。
カプチーノエスプレッソがベースです。でも、この珈琲専門店にはエスプレッソがありません。エスプレッソマシンがないのでしょう。サイフォンが並ぶだけです。
となるとカプチーノもサイフォンの珈琲がベースなのでしょう。それは譲ったとしても後味が悪い。

美味しいカプチーノが飲みたいです。