週末は晴れ

自転車でスケッチしながら北海道を一周するのが夢

【本】『自転車は生き甲斐』飯田昇治著 ~その手があったか自転車で日本一周


ブログのタイトルの副題になっておりますが、北海道を自転車で一周するのが夢です。そのまま夢に終わるかなと思っています。
なんていうと、夢をあきらめるな、軟弱者、夢はかなうものだ! と説教されそうですが、ほっといて頂戴。肩の力抜いて生きたいのです。

北海道一周がなんで夢に終わりそうかというと、

  1. 時間がない(ので一周するとしたら定年後)
  2. (でも、これからの世の中、定年後の年寄りには)金がない
  3. (だからといって、安く済ませるために野宿する)度胸がない

という無い無い尽くしの男なんであります。


そんな夢のない人生を送る年寄りがとある本を読みました。


『自転車は生き甲斐 63歳からの日本一周15,000キロ&オーストラリア・ライド』飯田昇治著(文芸社

 

自転車で世界一周本はやたらありますが、自転車で日本一周本というのはあまり目にしません。多分、自転車で日本一周する人が多くて希少価値が小さく、世界一周の前で日本一周がかすんじゃうからでしょう。
そんな中でこの『自転車は生き甲斐』は副題にある「63歳からの」がウリ文句になるわけです。

私の場合も年取ってからの自転車です。親しみを感じ、手にとってみました。63歳から日本一周できるなら、北海道一週ぐらいできるんじゃないかと期待して。

日本一周というと何ヶ月もかけてひたすら走るのかと思いきや、飯田氏は12年間かけて22回に分けて断続的に走っています。
その22回も一筆書きで走ったわけではありません。前回は北海道、今回は東海、次回は九州の東側みたいにあちこち断片的に走っています。つながりを気にせず、別の用事にあわせたり、季節に応じて走りやすいエリアを選んでいます。
天候が悪い場合は輪行して、それも一周の中に入れています。ずるいといえばずるいですが、こういう走り方なら日本一周もできそうですね。時間をかけてゆっくりと

でも、金はかかっていそうです。走る先までの往復の交通費宿泊費。民宿やユースホステルを中心に利用しているとはいえかなりの出費でしょう。しかし苦にしている様子はなし。しっかり蓄えされていたんでしょうね。
ここは真似したくてもなかなか真似できそうにありません。

 

やっぱ金ですね。あとの無い無いは精神論で乗り切れるんでしょうけど、金だけは……。そんな金があったら娘に―――といいながら、サドルに手を出そうとしている今日このごろです。

とはいえ、夢は持ち続けたい。
夢の北海道一周に向けて同じ年寄りとして参考になることはないかと読んだわけです。

本を読んで勉強になったのは、

  • 小刻みで一周という手もある。
  • 輪行走行区間に入れる。
  • 雨対策は必須。
  • ルートの下調べ。

特に雨対策ですね。やたら雨に降られているようです。そりゃそうでしょう。日本では三日に一日は雨が降っています。雨にあって当たり前。
雨の日は乗らない、が基本だと思います。雨予報なら出発しない、途中で降られたら雨宿り。でも昔の川止めのように雨が止むのを何日も宿で待つなんて贅沢はできません。
予報を見ながら走っても、予期せず降られることもあるでしょう。雨宿りしたとしても、路面が乾くのを待っていられない時もあるでしょう。雨の中、走ることを想定しておかなければいけません。

普段、雨の日は乗りません。雨上がりでも路面が乾くまで乗りません。
細いタイヤではスリップするので危険です。ブレーキは効かない、見通し悪いでは街中を走るのに神経を使います。雨の日は我慢するようにしています。
それとクロモリなので錆が怖い。雨の中を走ったあと、クロモリの自転車はよく乾かさないと錆がきます。表面を拭くだけではだめで、パーツの接合部やチューブの中の水気も十分に取らないと、中から錆びてきます。クロモリのロードは雨の中を走ったら、分解して逆さに吊せといいます。中の錆は取れませんから。
濡れたあとが面倒なので、どんな浅い水たまりでも避けて通ります。避けられないときは担ぎます。
荒川サイクリングロード(通称)の路面が土手から流れる雨水で川のようになっていた日のことです。濡れないように自転車を担いで歩きました。
「パンクか?」
土手で休憩していた工事のおっちゃんに声をかけられたこともありました。

という具合に雨の日のサイクリングを避けていますので、雨対策は全くしていません。もちろんマッドガードはありません。レインウエアなんてしゃれたものを持っているはずがなく、雨合羽すらありません。

もし北海道一周をするのならば、雨対策は必須です。北海道でなくとも、数日かけてのサイクリングには雨のことを考えておく必要があります。
雨中走行できる自転車と装備。レインウェア、完全防水のバッグ等々。本番に備えて予行練習も必要でしょう。

『自転車は生き甲斐』のまとめに

「旅は3回楽しめると言われている」

 とありました。計画、実行、振り返りの3回です。
その1回目の楽しみ、計画をすでに楽しみ始めている自分がいます。
雨の日でも安定して走られる太めのタイヤブレーキはディスクでしょ、となると、今流行りのグラベルロード? レインウェアはやっぱり GORE-TEX

図書館で自転車雑誌のバックナンバーをめくっていたら、「雨の中を走り抜け! レインウエア徹底検証」という特集が載っていました。迷わず借りました。
さあ、どんなレインウエアが良いのだろう、と借りてきた自転車雑誌を開きますと、白黒ページの連載に読者投稿のページがありました。なんと「還暦おやじの大外回り日本列島国道の旅」という64歳の投稿記事があるではないですか。またまた年寄りの日本一周。シンクロニシティ。運命?
投稿記事を読みますと、定年間近に定年後に自転車で日本一周を思い立ったといいます。準備期間2年を経て、定年後に日本一周しています。この方は4回に分け、4年かけての1万1千キロの日本一周。戦略としては、『自転車は生き甲斐』の飯田氏と同じですね。
日本一周を計画するに当たり、64歳のこの方はルールを決めていました。

  • 最も海岸よりの国道を走る。
  • 一日100kmを目標。
  • 東西南北の端には立ち寄る。
  • 野宿はしない

東西南北の端には立ち寄る、輪行はルートに入れないという生真面目さ、というかこだわりが好きです。
野宿、キャンプはされていないようですが、いくらかかったんでしょうね。計算すればいいだけですが。

にしても、この64歳も、『自転車は生き甲斐』の飯田氏も元気です。両方とも一日100km走っています。飯田氏は雨の日でも坂があっても130km走っている日もありました。それも連日。
私なんか週末に100km走ったら翌日は死んでます。連日100kmなんて……。観光を入れながら、早朝から日没前まで走れば一日100kmをコンスタントに走れるものなんでしょうか。

体力がない自転車乗りが100kmをコンスタントに走るにはルートの下調べが重要なようです。
『自転車は生き甲斐』では雨と坂と迷子のぼやきが七割ぐらい占めています。本当に楽しかったんかと心配になるぐらいです。ぼやきというか愚痴が多く、読み物としては面白くありません。
いや、そんな話ではなくルートの話。

ITの世の中、走りたいルートを設定すれば高低差なんてすぐに情報が出てきます。飯田氏が日本一周を始めたころはこうしたサービスが未だ充実していないころのようです。走るルートも紙の地図頼み。高低差も事前に調べることはしていなかったようです。情報量に限界があったのでしょう。
同じ年寄り自転車乗りでも『大東京ぐるぐる自転車』伊藤礼は地図好きです。国土地理院の地図でしっかり下調べした上で、旅立っています。

 

mono93.hatenablog.com

 

ただ、食料や水を十分準備せずに山の中に入るなど、行き当たりばったり。無計画もポタリングの醍醐味ではありますが、身体を壊したのでは元も子もありません。
『自転車は生き甲斐』の飯田氏も無計画というか、知識がなかったこともあり、十分栄養補給せずに走り、ハンガーノックっぽくなったり、胃を壊したりと苦労されています。

今はグーグルマップにGPSとナビゲーションがありますから、ITを駆使すれば計画は立てやすいですし、道に迷うこともありません。まあ、予期せぬ坂や迷子も旅の楽しみではありましょうが、苦しいことは避けたい。
やっぱりナビ付きサイコンがいるなあ……。レインウエアグラベルロードナビ付きサイコン欲しい欲しい病が悪化していきます。

いろいろありまして、定年後も働かなければなりません。65歳過ぎても働かないといけないかも……。
60歳過ぎたらバイト並みの給料になるようですが、働かないといけないのです。そんな将来の不安を抱えながら自転車で北海道一周の計画を練る。いや、北海道一周のための貯金をするぐらいなら、子供と老後のための貯金です。
現実を見ると、やっぱり夢ですな。
宝くじ買うか。

とまあ、夢だけは膨らみ、漠然とした計画が始まりました。つまり、欲しい欲しい病、物欲が目覚めました。
伊藤礼氏の『大東京ぐるぐる自転車』折りたたみ自転車が欲しくなりました。『自転車は生き甲斐』ではグラベルロードレインウエアナビ付きサイコン
この手の本は危険です。