【自転車】肩と首の痛みを克服する一つのヒント
荒川上流の右岸に朝霞水門があります。
勝手に鉄仮面水門と呼んでいます。操作室の窓が横長なので鉄仮面の覗き窓に見えるのです。近代的なデザインの水門です。
朝霞水門から少し下流に岩渕水門(新門、通称青門)があります。こちらはオーソドックスないかにも水門といったデザイン。こちらも窓が特徴的です。サイコロ型の操作室に丸い大きな窓は昭和の大阪万博(日本万博博覧会)を思わせます。なので万博水門と名付けました。
どちらが好きかといえば昭和な岩渕水門。ええ、昭和生まれで大阪万博に興奮した世代ですから。
さらに下流に隅田水門があります。こちらは小さな水門。デザインもオーソドックス。大して特徴のないただの水門です。高度成長期にとりあえず作っとけ、みたいな投げやりな感じです。小さく薄汚れた水門ですが、存在感があります。ちび水門。
調べてみますと、ちび水門こと隅田水門は昭和44年(1969年)施行。高度成長期が終わろうかという頃ですね。
万博水門こと岩渕水門(青門)は昭和57年(1982年)。大阪万博(昭和45年、1970年)の12年後でしたね。ちなみに旧門(通称赤門)は大正13年(1924年)でした。
鉄仮面こと朝霞水門は平成7年(1995年)。思ったより新しい水門でした。
いや、水門の話を書きたかったのではありません。肩と首の痛みから開放され、朝霞水門まで気楽に往復できるようになったことを書きたかったのでした。
話を戻そう。(時は戻しません)
朝霞水門往復で70km。このブログを読む人の約73%(推定)が軽く走る距離でしょうが、老齢の身で走り始めた者には頑張らないと走れない距離です。
いつもは手前の岩渕水門で折り返します。50km。走った満足感がある距離です。岩渕水門に着くころには肩も張っていて、首を回すとポキポキなります。ストレッチして休憩していると、さあ帰ろうか、となります。さらに先まで進む気持ちが消えています。
肩もつか? 頭痛になったらいややな。
水溜まり残っとるかな。
昼飯どこで食べるか考えなあかんやん。
岩淵水門から上流にいくと、水たまりだらけの区間があります。戸田橋辺りから1kmほどの区間です。
雨の翌日、土手から滲み出た雨水が道を横切って流れる筋が何筋も続きます。にじみ出た雨水の筋は集まって水たまりになります。荒川河川敷は水はけが良いほうだと思いますが、この一帯だけは雨がやんでも一日中水たまりが残ります。大雨の後だと二日たっても乾きません。
この区間を走ると自転車は泥だらけになります。フェンダーがないとお尻から背中まではねた泥水の筋ができます。
そんなことを気にせず、泥水を跳ね上げながら、平気で走り抜ける人がいます。ほとんどの人は躊躇しながら、なるべく浅い水たまりを選んで走ります。
でも、クロモリに乗る身としてはなるべく自転車を濡らしたくありません。汚したくありません。泥水とはいえ錆の原因となります。水洗いするとそれはそれできっちり乾かさないと錆の原因となりますし。
水たまりを避けて土手の上を走ることにしています。土手の上は路面が荒れていて、凸凹道を走るようなものです。疲れる上にペースが落ちます。
この水たまり区間のことを思うと気が滅入ります。肩の痛みがひどくなる心配とともに、水たまりが気になります。
で、岩淵水門で引き返します。
って、そんな話を書きたいのではありません。朝霞水門まで走った話です。引き返してはいけません。
先に進むために岩淵水門まで引き返しましょう。
岩淵水門往復50kmをこなせるようになると、自転車に乗った満足感はあれど、満喫した気分になれなくなりました。人の欲望は底なしです。
さすがに朝霞水門往復70kmを走ると自転車を満喫した気分になれます。数ヶ月に一度ぐらいは満喫します。
この夏、猛暑でしたが朝5時に起きて6時から走り始めるようにしました。でも、なかなか岩淵水門から先に進めません。水たまりもありますが、やはり肩が痛い。怪我をして半年ほど自転車に乗られなかった間に、めっきり筋力が落ちたのです。肩だけではなく、全身です。このまま老いていくのかと心配になりました。歳をとってからの骨折は老け込むというのを実感しました。
などと悩んでいた夏が過ぎ、涼しくなったある日、快調に荒川河川敷を飛ばし、岩淵水門での休憩もなく、一気に岩淵水門まで走ることができました。我ながら驚きました。
なんで急に……。
自分なりに分析しますと、
- 涼しくなった。
- 風が弱かった。
- 筋力が戻ってきた。
- 肩の痛みが和らいだ。
そう、肩の痛みに苦しむことなく、朝霞水門往復できたのです。
ではなぜ肩の痛みが和らいだのか。
筋力が戻ってきたこともありましょうが、ハンドルを低く下げたことが大きかったと思います。
ようやく本題にたどりつきました。朝霞水門手前まで来ました。
革サドルに変えたとき、お尻が前に滑るのでハンドルを上げ、高くしました。前傾姿勢を浅くして、サドルに重心がかかるようにと考えたのです。
ハンドルを高くして多少の効果はありましたが、結局、お尻が前に滑るのはペダリングの影響が大きく、そこを意識し始めると前すべりがなくなりました。まあ、サドルが馴染んできたことと、慣れてきたこともあるのでしょうが。
前すべりを克服したあとも、ハンドルを高くしたまま、乗り続けました。それが肩と首の痛みの原因ではないかとふと思い至ったのです。
クロスバイクに乗り始めたときもやはり肩の痛み腕のしびれに悩みました。これはハンドルにかける比重が大きく腕で体重を支えているからではないかと思い、ハンドルを高くする方向でポジション出しを試みていました。しかし、一向に改善されません。
そこでやけくそでハンドルを一番低い位置にすると、一気に肩の痛みから開放されたのです。
そのことを思い出しました。
で、一気にハンドルを3cm低くしました。
するとどうでしょう、肩と首の痛みが消えたではありませんか!
3年前、「【自転車】100km走りたい ~ 肩と首の痛みを克服する方法」という記事で、
肩と首の痛みは筋力がないからで、乗っているうちに筋力がつき、痛みは消える
と結論づけました。ロードバイクに乗ったときの肩と首の痛みを克服するには、走るしかない、筋力をつけるしかない、という身も蓋もない結論でした。
この結論と同様のことはあちこちに書かれています。
ですが、ハンドルを低くする効果を2回経験しました。もしかしたら……。
今回、改めて調べてみると、ありましたね、肩の痛みの原因はハンドルが高いからというのが。
この記事の中でも、それでも無理なら筋力が必要とあります。3年前の記事が間違いだとは言い切れません。ただ、肩の痛みを和らげるために、ハンドルを低くすることを試してみる価値はあろうかと思います。*1
うん、ようやく書きたいことが書けました。
ハンドルを低くすると肩の痛みが和らぐ。これって、要はハンドルを下げて適切なポジションになったということ。つまり、もともとポジションが悪かったということ。
もし、もともとのポジションが合っていたらハンドルを下げることはポジションを崩すということ。下手にいじらない方が正解です。
肩の痛みを取るために、ハンドルを低くする。
これは試してみる価値はありますが、正解ではありません。ポジショニングの試行錯誤のひとつの試行でしかないのです。
肩と首の痛みをとる方法として、
- 試行錯誤のポジショニング
- 筋力をつける
という基本がありますが、そのポジショニングの範疇の話です。ハンドルを低くするというのは、ポジショニングの一つのヒントにとどまります。
結局は試行錯誤して筋力をつけるしかないという、身も蓋もない結論であることに変わりはありません。
でも、試してみる価値はあろうかと思います。
ようやく鉄仮面水門、朝霞水門に到達しました。
*1:その3年前の記事を読み直してみますと、当時の自転車の写真があります。ハンドルは5mm下げていたようです。